もとITERの炉材料研究者の端くれとして、簡単な解説を(笑)
ITERとは日本語で言うと、国際熱核融合炉というものです。
太陽の中で起こっている、水素が集まってヘリウムになる核融合という反応を
地球上で起こして熱を発生させ、それを利用しようというものです。
#一般には、発電に使うということになります。
現状では、重水素と3重水素というものを使って発生させる核融合が
一番実現しやすいとされています。
3重水素は天然には存在しませんが、製造することは出来るので、
ほぼ無尽蔵のエネルギー源になるとされています。
で、実現の時期ですが、なんとも言えません。本気になれば、
商業的な利用が今世紀中にできるかなぁといった塩梅です。
ほんの少し、ITERにかかわったことのある人間としては、引退してOBとして
「発電成功!」のニュースを聞けたらいいなぁと思っていました。
という、だいぶ夢物語の入っているITERですが、万が一の事故のときでも、
問題となるのは少量のトリチウム(3重水素)くらいなので、
安全ないいエネルギー源ではあると思います。