原子力のリスクは自動車より小さい、という話をよくします。
いわゆる年間の死者の期待値(統計的に考えて平均で発生するもの)は
原子力のほうが少なくなっています。(
参考)
けどもこの見方、2つの点で難があります。
ひとつは、原子力から得られる利益と自動車から得られる利益の評価が
含まれていないこと。
もうひとつは、リスクの感じ方の問題です。仮に得られる利益が
一緒で被害の期待値が一緒だとしても、被害の変動幅が違います。
自動車による死者は、おそらく数千人というところから外れませんが、
原子力の場合は0か数万かという風に大きく変動します。
同じ期待値だとしても、後者のほうをより脅威だと
感じるのはもっともだと思います。
原子力業界の人間ですが、すこし問題を整理してみました。
この辺の研究って、されてるのかな?
後者の命題はギャンブルの設計に役に立ちそうなんですが。