この前ご紹介した「マックスヴェーバー入門」の中に、「信条倫理家」と
「責任倫理家」という言葉が出てきます。
なるほどな~、と思わせる内容だったので、すこしご紹介したいと思います。
”信条倫理家は、社会秩序の不正に対する抗議において、決して妥協する
ところがありません。彼らは純粋に自己の信条そのものにもとづいて行為
するのであって、それ以外になんら配慮する必要はない、と考えているのです。
自分の行為が結果として思わしくなくても、その責任は自分にあるのではない、
責任は世間の愚かな人間たちのほうに、あるいは「こういう人間を創った神の
意志の方にある」と考えるのです”
”責任倫理家は、人間の平均的な欠陥のあれこれを計算にいれて行為するので
あって、「人間の善性と完全性を前提としてかかる権利はなく、自分の行為の結果
が前もって予見できた以上、その責任を他人に転嫁することはできない」と考え
るのです。”
ちょっと難しい表現ですが、身の回りを見渡してみると、なんとなく思い当たる
人がいるかと思います。僕の経験では、信条倫理家の人のほうが細やかな
仕事をし、責任倫理家の人はやや遊びを残した仕事をするような気がします。
個人の好みや信条としては、責任倫理家の方がいいと思っていますが、
客観的に見れば、どちらも良し悪しだな~と思います。
こんな切り口で、物事を見てみるとまた違ったふうに見えないでしょうか??