今、行っている原子力による発電を、現状もっとも現実的な代替手段である
LNG火力に置き換えたら、どれくらい影響があるか粗く見積もってみました。
#ゆえに発電部分だけの評価です。送電・配電については評価していません。
#非常に粗い試算ですので、コメントいただけると幸いです。
#今後修正をする可能性も結構あると思います。
試算の参考になるは以下の文書です。(結局①と②は使いませんでしたが。。)
①
「バックエンド事業全般にわたるコスト構造、
原子力発電全体の収益等の分析・評価 」
②
「原子力発電および他の電源の発電原価試算(1999年資源エネルギー庁) 」
③
「平成11年12月総合エネルギー調査会第70回原子力部会において、
一定の前提の下に行ったモデル試算資源エネルギー庁資料 2005年」
③によると、円/kwhを単位として、
原子力発電は資本費2.3、運転管理費1.9、燃料費1.7となっています。
LNG火力は資本費1.5、運転管理費1.1、燃料費3.8となっています。
#ただし、2005年当時は天然ガスの価格が約600円/百万 BTU、
#今は約300円/百万 BTU
電源別発電量は以下のデータから取りました。
「電源別発電電力量の実績および見通し」
2009年の実績では、原子力が29%、LNG火力が29%ですので、
これをLNG58%とすると58%部分の発電原価は以下のようになります。
2009年発電実績:(2.3+1.9+1.7)*0.5+(1.5+1.1+3.8)*0.5=6.2
LNG置き換え
ケース①:(2.3+0.0+0.0)*0.5+(1.5+1.1+3.8)*1.0=7.5
ケース②:(2.3+0.0+0.0)*0.5+(1.5+1.1+3.8)*0.5+0.5*3.8=6.3
ケース①は設備を倍増しないといけない場合。
ケース②は今のままの設備で供給できる場合。
なお、LNGで置き換えるケースでも、原子力の資本費は必要と考えられる。
もし今すぐ原子炉を廃炉にする、ということであれば、廃炉の積立金は不足
していると思われる(要確認)ので、さらに電気代は上がるものと思われます。
#かなり先に廃炉するということで、資金を積み立てているはずです。(要確認)
もちろん、今回の福島の事故の賠償を原子力発電のコストに入れるべきだ、
という考えもあると思います。その場合は、たとえば、賠償額を今までの
原子力発電の総発電量で割った値にするのが、妥当ではないかな?と思います。
#ちなみに原子力発電開始以来の総発電量を探しましたが、
#すぐには見つかりませんでした。。